「○○さん、こんにちは。Yです」午後1時30分、定例勉強会の日、メーリングリストで通知していたメンバーの皆さんが集まってきました。サポーターは30分前にきて準備をします。テーブルを並べ、ロッカーからノートパソコン、電源タップを取り出します。インターネットには無線で接続します。パソコンを起動し、動作をチェックします。
最近は、“My PC”ご自慢の愛機を持参される方がふえています。
Tさんはパソコン暦18年です。サポーターが教わることが少なくありません。
今日は、Excelで名刺を作成、印刷するも文字がかすれてしまいました。しばらく使わなかったプリンタのヘッドクリーニングをすると素敵な名刺ができました。
Bさんは、私が7年前、社協主催のパソボラ養成講座をうけたときの先生です。さきの国際ピアノコンクールで優勝した辻井信行さんの演奏を視聴するためFlashPlayer最新版のダウンロードを始めています。
Hさんは、話題の手のひらサイズのネットブックを購入されました。当会備品の外付けCDドライブをとりつけ、音声ソフトやOfficeソフトをインストールされています。サポーターがお手伝いする操作は必ず自分で試される頑張り屋さんです。
Oさんは入会されたばかり、ホームポジションからキーの位置を確かめています。「Pは右の小指で、Qが左の小指で」「文字の削除は右端上から2つめ目Backspaceキーで」サポーターがよこから声をかけています。
Mさんはガイドさんと一緒です。とうとうメールの添付ファイル操作をマスターされました。お孫さんに写真をおくれたことが嬉しかったとのことです。今日は、ホームページで路線検索に挑戦されています。
あっという間に終了時間の4時です。
パソコンなどをロッカーに戻し、テーブルの配置をもとにもどして終了です。
「お疲れ様でした」とお互いに声をかわすなかで、だれともなく「ちょっと寄っていきませんか」。これもメンバーの楽しみです。
麻生PCクラブに入会して1年が経ちました。川崎市盲人図書館のパソコン訓練(ワードの初歩)終了時、この会を紹介されたのが入会のきっかけでした。40代半ばに発症した緑内障が進行し、数年まえからは日常生活にも大いに支障をきたして来ました。光を徐々に失うことへの恐怖、と焦燥、諦めと無力感に苛立つ毎日でした。私のこんな状態を心配した妻が、障害者向けのパソコン訓練の受講を勧めてくれたのが2年前のことでした。生来、メカオンチで会社勤め時代にはパソコン・オフコンから逃げてきた私にとって、今更苦手のパソコンを、と抵抗感がありました。しかし、どんどん狭まる自分の世界をなんとか広げたいという気持ちと妻の強い勧めもあり、訓練を受けることとなりました。ディスプレイやキーボードの文字や記号が読めなくとも音声ソフトの指示通りに操作すると文章が書けることの驚きと喜びに感激したものです。
8ヶ月と、かなりの月日を要しましたが何とかワードの基礎を修了出来た時は感無量でした。そして、パソコンの楽しさを知り、学習を続けたいと思い、当会への入会をお願いしました。
当会には、パソコンのエキスパートでかつ指導経験の豊かな方々が大勢おられ、私達障害者を個別にサポートしてくれます。私達は自分の技能レベルに応じて、学びたいことを自由に決められます。自分のペースで学べます。習得出来るまで繰り返し丁寧に教えてもらえます。本当に大変ありがたいことです。
サポーターの方々にはいつも感謝しております。当会は、いつもアットホームで和やかな空気に満ちています。明るく楽しい雰囲気のなかで勉強が進行しています。また、種々の有益な情報も得られます。恒例の新年会や暑気払いの会も楽しい交流の場です。当会のおかげで私でも住所録の作成、封筒の宛名書き、メールの送受信、ニュースの受信が出来るようになりました。世界が広がりました。目の前が明るくなった感じです。これからも麻生PCクラブのお世話になり、楽しくパソコンを学んで、行きたいと思っています。また、一人でも多くの仲間と一緒に時を過すことが出来ることを願っております。