コンピューターの前にすわると、魔法使いのお婆さんになった様な気持ちでした。マウスでクリックすると、さっと箒で掃いたように文字が移動し、魔法の杖を使うと円グラフができるのです。私はすっかり得意になりました。
パソコンボランティア募集を見つけ、早速応募しました。抽選にもうかり、さて受講者の隣に座り、サポートをしようとしたのですが・・・できないのです。パソコンの事が何もわかっていなかったのです。落ち込みました。すぐに、やめようと思いました。
その時です、代表者のTさんの「側にいて、一緒に見てくれるだけでいいのよ」というやさしい言葉に、目から鱗が落ちました。私はもうコンピューターお婆ちゃんになろうとするのはやめよう。お助けアンパンマンお茶汲みお婆ちゃんになろうと決心したのでした。
この会の特色は、受講者の皆さんとサポーター達がお互いに知恵を出し合って学んでいるところだと思います。
私がパソコンを習いたいと思ったのは、色々と身体に障害があったりして、外にもあまり出られない人や、1人暮らしで人との交流が少ない方や、病気の為に、家に引きこもって淋しい思いをしておられる方に、メールをしたり又、手紙や葉書きを書いたりして心の交流を図り、励ましたり、慰めたりして上げられたらと思ったからです。私も視力障害者ですが、人のお世話になるばかりでなく、何か自分に出来る事を通して、人のお役にたてれば嬉しいと思ったからです。
幸いさんざしのボランティアの方から、パソコン教室がある事を知らされ、早速申し込みました。しかし、年齢のせいか覚えても直ぐに忘れてしまい、思うように行きません。でも年のせいにばかりは、していられませんので頑張ろうと思っています。
パソコン教室に来始めた頃は、パソコンの操作を間違えると機械が爆発するのではないかと、びくびくしたものですが、今では、封筒の表書きや、年賀状の書き方やスケジュール表の作り方なども教わりました。まだまだ出来ない事ばかり多くて四苦八苦していますが、出来た時の喜びも又、ひとしおです。サポートして下さる皆様も大変親切に熱心に教えて下さいます。
サポーターの皆様のご協力とご努力がなければ、私達はどうする事も出来ません。其の並々ならぬご苦労に私達は心から感謝のお礼を申し上げたいと思います。
又、年2回持たれる懇親会も、会員同士の心の交流の場として、楽しみの1つとなっています。
何年も前からやっている人も、最近入ってきた人も分け隔て無く親切に教えて下さり、和やかな雰囲気の内に学んでいます。
最近は障害者の方もパソコンを習う人が増えて来た様で喜ばしい限りです。もっと習う人が増えて、今まで以上に豊かに生活の場が広がって行く事を願っています。