Ctrl+Esc、p、wでWordを起動。Alt+F4で閉じる。Windowsキー+Eでエクスプローラを起動。「あさおPCクラブ」のメンバーはマウスなしでパソコンを自由自在に操作します。E−Mailもホームページもマウスなしです。Excelで家計簿も作ります。「あさおPCクラブ」は視覚障害をもつ人たちとボランティアのサポータが一緒になってパソコンを勉強する集まりなのです。
社協のパソコンボランティア講習会に参加したのを機に「あさおPCクラブ」に入会して一年になりました。多少かじったパソコンの知識を役立てようと、50歳代半ばのはじめてのボランティア活動です。音声ソフトとマウスなしの操作に、はじめは戸惑ってばかり、メンバーの方たちに”元気”をもらいながらの活動でした。はじめてパソコンに触った方が、ほんの2時間あまりでキーボードの配列を覚えてしまったのにはビックリでした。便利な機能をおぼえる、わからないことを調べる、勉強会の内容をメーリングリストに流す、など楽しく参加しています。
一人一人のパソコンの知識はごく限られています。そんなメンバーが集まることで1+1が3にも5にもなるのが「あさおPCクラブ」です。電子政府が話題になり、高齢者や障害者にやさしい「アクセシビリテイ(使いやすさ)」が求められていますが、技術的なことは専門家にまかせ、”こまったときにだれかが側にいる”、そんな「アクセシビリティ」もあってもよいのではないでしょうか。
「見えない者にとってパソコンは武器になる」
こんな会話を耳にして、見た事も無いパソコンに恋をし、手に入れたものの周りに教えてもらえる人もいず、片思いの日々が続いていました。
あさおにPC教室が出来る事を偶然知り、地域外にもかかわらず受け入れて頂き、文字どおり献身的なサポートを受けながら、メールが送れた時の喜びは、言葉に表せません。
「メール開通おめでとう、これで、貴女の世界は飛躍的に広がります」との返信メールに、目の前がぱっと明るく大きく開かれた様な気がしました。そして、私の生活は随分、積極的になったように思います。パソコンはドラえもんの「何でもポケット」と言う訳には行きませんが、それでも、デイジー図書や音楽を聴いたり、活字文書を読ませたり・・・と、私には夢をかなえてくれる魔法の箱でした。
年だから、機械音痴だから・・・と、躊躇している人、思い切って見学にいらっしゃいませんか? サポーターの皆様がきっと貴方にもパソコンの魅力を伝授してくれますよ!!!
私にとってパソコンが開いてくれた窓は、大きく、深く社会に広がっていました。
これからも、パソコンに語りかけ、もっともっと知り合いたいと思っています。でも、時々、お臍を曲げられて、右往左往のドキドキですが、早く、相思相愛の中になりたい・・・と願う毎日です。